ー自分でできるメンテナンスー
・取扱い説明書をよく読む
 時計について知識の多いマニアやコレクターの方でも、商品を買われたらまず取扱い説明書に一度目を通して下さい。時計のケアやメンテナンスについて以外と見落としていたり、間違った認識をしていたりする場合もあります。時計についてよく知らない人はなおさら取扱い説明書をよく読んで、その時計の機能や注意するべき点を知ることから始めましょう。
・汗やホコリを取り去る
 すべての時計のメンテナンスの基本といえるのは時計についた汗をこまめにふき取り、ホコリやゴミを丹念に取り去ることです。ステンレスをはじめとする金属製のブレスレットの場合、汗やホコリなどが原因でベルトが壊れるというケースは意外と多いので、駒と駒の隙間やケースとリュウズの隙間に付着した汗は柔らかいハンカチや布で拭き取り、ホコリやゴミは歯ブラシなどで軽く叩くようにして取り除くのが効果的です。
・海水に浸かったら真水で丁寧に洗う
 海水が時計に残っていると腐食の原因になります。海水に浸かったら、必ずケースやリュウズ周り・裏蓋・ベルトまで全体を真水で洗ってから、乾いた布でよく水分を拭き取ることが大切です。この時ベルトの駒と駒の隙間や、ケースとリュウズの間の隙間は歯ブラシなどで特にきれいに洗い流した方がいいでしょう。
・保管するときには...
 時計をはずして保管する際に注意してほしいことが2つあります。ひとつは磁気です。最近の時計には磁気を帯びにくい素材が使われていますが、テレビ・磁気ネックレス・磁気枕やハンドバックの留め金に使われている磁気のそばに一日中置くことは避けましょう。二つ目は防虫剤です。時計を防虫剤の入っているタンスの中にしまうことは避けましょう。防虫剤の主成分であるナフタリンは時計内部の油の変質を引き起こし、それが原因で精度に狂いが生じる恐れがあるからです。時計の内部はごくわずかの空気の出入りがあることを忘れないようにしましょう。
・ゼンマイは一日一回定時に巻く
 手巻き時計の場合、一日一回だいたい決まった時間にゼンマイを巻くことをおすすめします。ゼンマイは常に一定の力を出しているわけではなく、ゼンマイをいっぱいに巻いた直後とほどける直前ではトルクが違っています。このトルクの違いが時計の精度に影響してくることがあります。一般的に手巻き時計のゼンマイが一日でのびきってしまうことはなく、一日半から二日間ほどの力が蓄えられているものですが、いつものびきる直前までゼンマイを巻かないという使い方をしていると、二日目の後半にはトルクが減った分時間の誤差が生じる可能性があります。
 自動巻時計は、日中腕に巻いておけば腕の振りによってゼンマイが巻きあがる仕組みになっていますが、人によってはあまり腕を動かさない人や仕事中は外して机の上などに置いておくという人は、手巻き時計と同様に一日一回はゼンマイを手で巻くことをお勧めします。

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